A級戦犯を合祀した男

毎日新聞「靖国」取材班『靖国戦後秘史 A級戦犯を合祀した男』(角川ソフィア文庫、2015;単行本は2007年刊)を読んだ。

表題に掲げたのはこの本の副題。そこに見られるように、「靖国」という問題へのアプローチとして、政治的・外交的・思想的な面からよりも、むしろ「A級戦犯の合祀」という核心的問題に迫る際に、これをほぼ「独断」で行った人物はどんな人間だったのか?というヒューマンインタレストを最大のドライブ、最大の興味の焦点としている。

だから、最近読んだ靖国をめぐる何冊かの本の中で、「思想」や「知識」としての靖国よりも、「生身の人間の生き様」や「人と人の関わりとしての政治」に思いを至らせてくれた。その点で、この本は最も面白かった。このアプローチは新聞社の取材班だから可能だった、という面が大きいだろう。

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