人類はなぜ定住したのか?

僕自身にとっての今年、2013年のマイブームは、「狩猟採集」生活/時代ということ、ないし、より正確には、「遊動性」という概念である。

人類史の中で、人類が定住する以前の生活、社会、精神のあり方である。
興味を抱くようになったきっかけは、ジャレド・ダイヤモンド『銃・病原菌・鉄』や柄谷行人の講演や著作、人類学の本、そして関野吉晴氏監修の『グレートジャーニー展』などである。

現在の諸科学の知見によれば、現生人類、ホモサピエンスは、約6万年前に東アフリカ、現在のタンザニア辺りから出発して、地球上に四散していった。このグレートジャーニーの最期が、約1万年前の、ユーラシアのシベリアから現在のアリューシャン列島を経て、アラスカから北アメリカ、そして南アメリカへの旅路である。そして、一般的には、いわば文明の始まりと考えられている農耕・牧畜は、約1万年前に始まった。

(ヨーロッパや日本、オーストラリア、さらには太平洋の島々へは、これに先立つ今から3、4万年ほども前に、移住が行われていたと考えられている。)

人類学において、かつてはこの「農業革命」を重視する考えが支配的だったが、むしろ最近では、本来の遊動的な狩猟採集生活から人類が「定住するようになったこと」こそが重要であるという考えが提唱されている(柄谷もこの考えを支持する)。なぜなら、農耕や牧畜は、定住の自然必然的な結果に過ぎないからである。

ホモサピエンスは、解剖学的には20万年も前から現代人と同じだったのに、約1万年前までは定住しなかったのはなぜか? あるいは、なぜ約1万年前に定住するようになったのか?

素人考えだが、僕なりに考えた結論は、地球上の陸地が、いわば人類で飽和状態になったからである。――今よりはるかに人口も人口密度も小さかったが、利用可能な食糧や居住可能な諸条件との相関関係からすれば、「飽和」とも言えるだろう。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック