日本と中国、韓国・朝鮮との違い

ちくま新書「新しい神の国」という本を読んでみた。日本がこのタイトルのような国かどうかよりも、「同じ東アジア圏としてくくられる中国や韓国・朝鮮と日本がいかに異なっているか」がこの本のコアである。

著者の古田博司氏は1953年生まれで、僕と同い年である。彼は東アジア関係の著書でサントリー学芸賞や読売・吉野作造賞、さらにフジサンケイグループ「正論新風賞」を受賞しているが、僕はこの本を読むまで知らなかった。古田氏は東洋史専攻だったが、左翼青年で中国語、朝鮮語、ロシア語を学び、特に韓国には6年間滞在。だが、これらの国々の現実を知れば知るほど嫌いになったという。

古田氏のような思想遍歴は、同世代にもありえた(古田氏自身がそうだ)。しかし、左翼だからといって、中国や北朝鮮を志向したのはかなりのマイノリティだろう。

僕自身はといえば、学者にはならなかったが、フーコー、ドゥルーズ、デリダ、バルトなどフランスの現代思想の巨匠たちに惹かたものの、大学院で日本文学を専攻した。ところが、日本文学研究者になれず、ニューヨークへ行って4年間暮らした。新左翼的感性からアメリカを馬鹿にしていたが、「子供の頃から実はアメリカが好きだった!」ことを、ようやく自覚したのである。そして、ニューヨークに住んでみたのだった。

さて、古田氏が日本の文化人・知識人の儒教文明崇拝や、観念的な左翼思想を批判するに際して、中国や韓国・朝鮮社会の実態を身をもって知っている立場からのコメントは、傾聴に値する。特に、日本には「宗族」というものがない点で、これらの国々とは、同じ東アジアにあっても、もう一つの別の文明圏であると主張する。イデオロギーや好き嫌いは別にして、多くの論者に欠けている視点だろう。



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