ブラディ・ダーウィン、太陽族vs憂鬱族 返却前の本より。期限をとうに過ぎ、ろくに読んでないまま返却する前にぱらっとめくると――。 『ブラディ・ダーウィン もうひとつのパール・ハーバー』はオーストラリア人による本の翻訳。ここでのダーウィンは同国北部の港湾都市で、表題は邦題が示すように、日本軍が1942年2月19日、この都市を空襲したことを指す。 日本から見た同国は、… トラックバック:0 コメント:0 2016年05月22日 続きを読むread more
玉砕で生き残る 直前のページで引用した山田風太郎の戦時中の日記とは、まさに正反対の死生観を示す一文に遭遇した。 <「玉砕で生き残るというのは卑怯ではなく、〝人間〟として最後の抵抗ではなかったか」という独白は、当時、誰も口に出せないが誰もが感じていた本音であったろう。>(2016年1月31日『朝日新聞』読書欄「ニュースの本棚」で、荒俣宏が、南太平… トラックバック:0 コメント:0 2016年02月11日 続きを読むread more
サイパン玉砕 山田風太郎『戦中派虫けら日記』の残るページで気になったのは昭和19(1944)年7月18日の日記。サイパン玉砕が報じられた日である。 <どこかのラジオが大本営発表を伝えていた。 「およそ闘い得る在留同胞は敢然戦闘に参加し、おおむね皇軍将兵と運命を共にせるがごとし」 といっている。 「戦い得ざる」ものはどうしたのだ? … トラックバック:0 コメント:0 2016年02月11日 続きを読むread more
安保関連法案成立 政治嫌いを自認する僕は、安倍内閣の「解釈改憲」や今回可決された、自衛隊の同盟国支援のための海外派兵を可能にする安保関連法案について、ほとんど書いてこなかった。 第2期安倍政権成立時に、「あんな奴がまた総理になるのか」と失望したものの、かつて例のない解釈改憲や安保法案の上程・審議のプロセスが報道され、ほとんどの憲法学者が法案を違憲… トラックバック:0 コメント:0 2015年09月20日 続きを読むread more
戦後70年の今日9月3日といえば 中国の軍事パレードが大ニュースだが、実は、フィリピンでも日本軍が正式に降伏文書に調印したのが70年前の9月3日だった。だからフィリピンでは対日戦勝利の記念日だ。 前日の1945年9月2日、ルソン島北部で「マレーの虎」こと、山下奉文の率いる日本軍が投降。翌3日、降伏文書に調印したというのが、フィリピンでの第2次世界大戦終結の歴史的… トラックバック:0 コメント:0 2015年09月03日 続きを読むread more
対日戦勝記念日のキス 英文のニュースサイトを見ていたら遭遇したのが、米ニューヨークのタイムズスクエアで、1945年8月14日(日本時間8月15日)に撮られた有名な写真をカップルたちが再現する対日戦勝記念日のイベントのニュースがあった。 大手通信社APが世界中の新聞やニュースサイトに配信した記事と写真である。 元の写真には絵葉書か何かで見覚えが… トラックバック:0 コメント:0 2015年08月20日 続きを読むread more
模擬「特攻裁判」 「模擬特攻裁判」 ――これは返却前の保阪正康『「特攻」と日本人』(講談社現代新書、2005)にあった、最も印象的な言葉。読みながら傍線を引きたくなったが、図書館の本なので途中から付箋を印象的な箇所に貼り始めた。「模擬特攻裁判」は付箋を貼り始める前にあった、見出しにもなっていなかった言葉なので、読了後に探して見つけた。 193… トラックバック:0 コメント:0 2015年08月17日 続きを読むread more
戦後ドイツの欺瞞2:生きるための嘘 政治家の靖国参拝をめぐって中国や韓国から批判されるのは、東京国際軍事裁判におけるA級戦犯が合祀されているためである。 戦勝国が敗戦国の指導者や軍人を裁判に掛けたのは、東京裁判に先立って行われた、同じく敗戦国ドイツでのニュルンベルク裁判が、人類史上前代未聞の出来事と言って良いのだろう。それまで、敗戦国は、賠償金を支払わされたり、何… トラックバック:0 コメント:0 2014年12月06日 続きを読むread more
戦後ドイツの欺瞞 木佐芳男『<戦争責任>とは何か 清算されなかったドイツの過去』(中公新書、2001)を読んだ。 日本では、森元首相や安倍首相、麻生副首相など、その言動が時として近隣諸国をはじめ国際的に波紋を広げるのに対し、同じ第二次大戦の敗戦国ドイツは、国としても、リーダーたる政治家も、賞賛されることが多かった。この本は、その国際的… トラックバック:0 コメント:0 2014年12月05日 続きを読むread more
岡井隆の自衛隊論 寺山修司、塚本邦雄とともに、前衛短歌運動を牽引し、現代短歌で活躍してきた、現役最高峰の歌人、岡井隆の自伝的な著作『瞬間を永遠とするこころざし 私の履歴書』(日本経済新聞出版社、2009)を読んだ。 その中で印象に残った個所を一つだけ挙げる。「兵役忌避の話」にあった次の一節である。 <いうまでもなく武力の源は人間なので、…… トラックバック:0 コメント:0 2014年08月01日 続きを読むread more
靖国思想の「論理」と「信仰」 僕が先日、山折哲雄氏の「東京だョおっ母さん」をめぐる論考に触発されて書いた日記を橋川文三コミュ「雑談コーナー」に再録したところ、コミュメンバーであるマックスさんから、今年の初めに彼が「2014年の橋川文三」としてトピックを立てた問題提起に重なると指摘があった。 その提起には双葉百合子「九段の母」(1939(昭和14))が引かれて… トラックバック:0 コメント:0 2014年05月25日 続きを読むread more
永遠の0(ゼロ) 返却前の本: 1 百田尚樹『永遠の0』(太田出版、2006) 2 塩野七生『最後の努力 ローマ人の物語XIII』(新潮社、2004) 3 『カッパドキア トルコ洞窟修道院と地下都市』(集英社、2001) 4 辻佐保子『「たえず書く人」辻邦生と暮らして』(中公文庫、2011) 5 辻邦生『西行花伝』(… トラックバック:0 コメント:0 2014年05月11日 続きを読むread more
戦争の起源 松木武彦『人はなぜ戦うのか 考古学からみた戦争』(講談社、2001年)は、考古学者による戦争論。 この書によれば、日本列島において、縄文時代に戦争はなかった。ここでいう戦争は、集団において戦いが組織化され、それに対する日常的な備えがなされ、その社会で完全に認知された政治的行為にまで発展している段階。こうした戦争は、少数の例外を除… トラックバック:0 コメント:0 2014年01月02日 続きを読むread more
A級戦犯処刑日=天皇誕生日全体に公開 猪瀬直樹『ジミーの誕生日 アメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」』(文藝春秋、2009): この読みかけの本の冒頭にあったのが表題の内容である。占領軍のGHQが意図的に、当時の皇太子(現天皇)の誕生日になるのを待って行った、という。 これを踏まえて、ウィキぺディアには以下のようにある。 <7人の絞首刑(死刑)判決… トラックバック:0 コメント:0 2013年10月23日 続きを読むread more
靖国、A級戦犯、国家の止揚 金曜の夜に見た番組で、池上彰が靖国神社について説明していた。既知のこともあったが、知らなかったか、何かで読んでいたとしてもあまり意識していないこともあった。 靖国神社について比較的最近読んだのは、堀内祐三の『靖国』。これは「靖国は戦前、いわばディズニーランドだった」というような、松本健一(でなくても)にトンデモ本と言われるような… トラックバック:0 コメント:1 2013年10月06日 続きを読むread more
非業の死 直前の日記に、マイミクのかまいちさんが書いてくださったコメントを見て、この「非業の死」という言葉が、僕が今までの人生で聞いた中で「最も強烈なインパクト」を持って用いられた講演を思い出した。 講師は俳人・金子兜太で、話した内容は、彼自身の戦時中のトラック島での体験、見聞。聴衆はわずか20人ほど。 彼自身は20代で主計将校だ… トラックバック:0 コメント:0 2013年01月27日 続きを読むread more
勝者による裁きの前史 対談の後の文章によれば――。 ・1815年、ナポレオン1世は、ウィーン会議宣言で、エルバ島定住の条約を破ったことを法的根拠に、アフリカ沖のセントヘレナ島へ流刑になった。その際の身分は「戦犯」でなく「捕虜」だった。戦争行為について責任を問う国際法がなかった。 ・1919年、ヴェルサイユ講和条約で、侵略戦争の開戦責任を敗者ド… トラックバック:0 コメント:0 2012年12月31日 続きを読むread more
東京裁判を知る 2 ・ニュルンベルクの冒頭陳述で主席検事ジャクソンは、「真の原告は文明なり」と言う。第二次大戦を「文明と野蛮の戦い」と性格づけ、アメリカの原爆投下や無差別爆撃などの戦争行為を正当化しようというスティムソンの「意図」を正当化するための公的政策が、ニュルンベルクと東京の裁判だった。 ・「邪悪な戦争」に対する「正義の戦争」をさかのぼれば、… トラックバック:0 コメント:0 2012年12月31日 続きを読むread more
東京裁判を知る 1 牛村圭、日暮吉延『東京裁判を正しく読む』(文春新書)を読了した。 牛村氏は、1959年、日暮氏は1962年生まれで、ともに東京裁判を単なる専門というより、ライフワークとしている研究者である。 僕自身が東京裁判(極東国際軍事裁判)に本格的に興味を持ったのは、つい最近読んだ、竹内好の文庫本『日本とアジア』に収められた、半世紀… トラックバック:0 コメント:0 2012年12月31日 続きを読むread more
負けた奴は死んでも仕方ない アメリカとは、そんな国である。 (実は、この題でほぼ書き終えたのに、久しぶりの致命的ミスタッチで消してしまった) 20年余り前、ニューヨークで4年間暮らしながら、感じていたことだった。 ――少し文学史的な付け足しをすると、気鋭の少壮文芸評論家だった江藤淳が、プリンストンの客員教授か何かでアメリカ生活をした… トラックバック:0 コメント:0 2012年09月24日 続きを読むread more
戦勝国に戦後はない 橋川文三コミュに入っていることもあり、そのデビュー作『日本浪曼派批判序説』を再読しようと思ったが、講談社文芸文庫版は在庫切れのようなので、インターネットで古本を買うことになった。 検索すると、初版本も入手可能だった。 ある古書店のサイトで見ると、表紙の写真が付いており、縦のツートンカラーで鮮やかなオレンジが目立つ! 意外… トラックバック:0 コメント:0 2012年09月08日 続きを読むread more
戦中派有名人:欧州編 『裸者と死者』を書いたノーマン・メイラーからの連想で、同世代人としてのビート世代や日本の戦中派、特にその年代の日米の有名人を列挙しているうちに、ヨーロッパが欠けていることに思いいたった。 『ヒロシマ・モナムール』(二十四時間の情事)や『去年マリエンバードで』を撮ったヌーヴェルバークの映画監督アラン・レネは、1922年生まれの90… トラックバック:2 コメント:0 2012年08月31日 続きを読むread more
戦中派有名人 太平洋戦線での従軍体験を基に『裸者と死者』を書き上げたノーマン・メイラーが1923年生まれであることから、同世代である日本の「戦中派」とアメリカの「ビート世代」の比較、さらにはより広く、日米の戦中派(同世代)有名人に連想が広がった。 文学者以外には、ケネディ、パパブッシュとカーターという3人の大統領しか挙げなかったので、日本に目… トラックバック:2 コメント:0 2012年08月28日 続きを読むread more
戦中派vsビート世代 太平洋戦争での従軍体験を基にした戦争文学の傑作『裸者と死者』の作者、ノーマン・メイラーは、1923年1月の生まれ。 その前後に生まれた、1945年の終戦当時、20歳から25歳くらいだった有名人を思いつくまま挙げると、アメリカでは、後に日本文学研究者となったドナルド・キーンやサイデンステッカー、英国籍のアイヴァン・モリスがいる。 … トラックバック:21 コメント:1 2012年08月26日 続きを読むread more
メイラー、ウェーバー… 比較的最近、読みかじった本より…。 1 ノーマン・メイラー“The Naked and the Dead” 2 マックス・ウェーバー『権力と支配』(講談社学術文庫、濱嶋朗訳) 1は700ページ余りの半分も行かないうちに中断。 ノーマン・メイラーのデビュー作にして代表作『裸者と死者』(1の邦訳)は、昔、実家で背表紙を見… トラックバック:10 コメント:0 2012年08月25日 続きを読むread more
東部軍管区司令官 終戦記念日前夜で、テレビ東京で池上彰が自分でのインタビューも含め「戦争を考えるスペシャル」をやっていた(太平洋戦争、戦後復興やイラク戦争など)。 その中から最も印象に残ったのは、映画「日本のいちばん長い日」にもなった、1945年8月14日正午から玉音放送までの24時間のクーデター未遂をめぐるドラマ。当時、現役青年将校だった二人が… トラックバック:0 コメント:0 2011年08月14日 続きを読むread more
「特攻」の真実:「世界」観と、重たい事実と 最近読んだ2冊の本。 1 松岡正剛『誰も知らない世界と日本のまちがい 自由と国家と資本主義』(春秋社、2007年)と、 2 大貫健一郎、渡辺考『特攻隊振武寮 証言・帰還兵は地獄を見た』(講談社、2009年) 松岡正剛の本は、一連の講演をまとめて1冊の本にしたもの。一例を挙げれば、ユーラシア大陸の東西の島国、日本とイギ… トラックバック:0 コメント:0 2011年06月22日 続きを読むread more
常識・定説とベストセラー 『「坂の上の雲」に隠された歴史の真実 明治と昭和の虚像と実像』(主婦の友社、2004年)をめくっていると…。 著者は1953年生まれの福井雄三・大阪青山短期大学助教授。 同書によると、 1 日露戦争の旅順攻防戦における乃木大将:戦史上、多くの将兵の命を犠牲にした、指揮官としての無能さがいわれ、司馬遼太郎の「坂の上の雲… トラックバック:0 コメント:0 2011年06月14日 続きを読むread more
ユーラシアの諸問題(補遺:モンゴルからロシアへ) ・マッキンダーによれば、地上最大の大陸ユーラシアとその中央部の大草原を支配したものが「オールド・ワールド」の運命を握った。その中核は、抜群の行動力・機動力・組織力・展開力にとむ遊牧民の騎馬軍団。歴史上確認できるのは、アッティラから始まって、チンギス・カンとその子孫によるモンゴル世界帝国。マッキンダーには、現在の欧米歴史家やそれに従う日本… トラックバック:0 コメント:0 2011年06月07日 続きを読むread more
ユーラシアの諸問題(続き7:アメリカとイラク戦争) 杉山正明『ユーラシアの東西』の、とばし読みしていた個所などから。 ・2005年、ヘリで京都御苑の空隙地に降り立ったブッシュJr米大統領と小泉首相の会談が、同御苑内であった。同じ日、著者はその近くの自宅から中国北京へ行き、北京論壇という国際会議に出席。ニクソン政権下で初代中国大使として赴任したパパ・ブッシュの記念スピーチを聴いてい… トラックバック:0 コメント:0 2011年06月07日 続きを読むread more