テーマ:日本

バード(ら)が見た日本

『日本奥地紀行』(高梨健吉訳、平凡社)の著者イザベラ・バード(1831-1904)が西洋の女性として世界で初めて、外国人がほとんど訪れたことのない日本の東北地方や蝦夷地(北海道)を従者の日本人青年と二人で旅したのは1878(明治11)年のこと。彼女が満47歳になる少し前だった。 まだこの本(元は母国に住む妹宛ての手紙で、巧みなイラ…
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日本は移民を送り出す国だった

橋口譲二『ひとりの記憶 海の向こうの戦争と生き抜いた人たち』(文藝春秋、2016)の感想を記しておきたい。 この本は写真家である著者が1994年から2000年にかけて訪れた世界各地で生き抜いてきた日本人86人から10人を選び、取材インタビューや著者のコメントを文章にしたもの。各国に多くの日本人がいた中で、会う人を選ぶ基準は唯一、…
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つぶやき集:寺島実郎講演資料

2016年04月11日06:00 1カ月前の寺島実郎氏の講演会資料120ページに目を通した。後半は岩波「世界」への連載の一部転載。寺島氏を採用、育成、活用、提供する三井(物産)グループの懐の深さを感じる。(04月09日) コメント GandhiGanjee 1947年生まれの寺島氏は、1968-69年の頃は早稲田キャン…
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ソメイヨシノ革命

日本の桜を代表する品種ソメイヨシノが、江戸時代末期、染井村(今の東京駒込の染井墓地の辺り)の植木屋が発祥だということは、今や半ば常識のはずだが、朝日新聞土曜版の記事でその「革命性」にはっとさせられた。 この記事は佐藤俊樹『桜が創った「日本」』(岩波新書)を踏まえる。この書は「ソメイヨシノの出現を境にして、桜とは何か、桜を見るとは…
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「昭和」の写真

半ば写真集的なものと思っていた『ひとりの記憶』がそうでなかったので、同時に2冊の写真集を買った。 『写真家が捉えた 昭和の子ども』(2014)と『米軍が見た東京1945秋』(2015)。 前者は昭和11(1936)年から昭和51(1976)年までの、19人の写真家が日本の子供たちを撮ったモノクロ写真170点。写真を見なが…
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サイパン玉砕

山田風太郎『戦中派虫けら日記』の残るページで気になったのは昭和19(1944)年7月18日の日記。サイパン玉砕が報じられた日である。 <どこかのラジオが大本営発表を伝えていた。 「およそ闘い得る在留同胞は敢然戦闘に参加し、おおむね皇軍将兵と運命を共にせるがごとし」 といっている。 「戦い得ざる」ものはどうしたのだ? …
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ガンジーvs「日本精神」

山田風太郎『戦中派虫けら日記』の昭和18(1943)年3月3日は、まだ満21歳の若者に過ぎない山田が、いわば当時の日本人全体を代表して、インド独立運動の指導者であり、欧米列強と闘うアジア人の代表でもあるマハトマ・ガンジーを激しく軽蔑した内容である。 ガンジーが「2週間の断食を終了し、快くオレンジ・ジュースを飲みほした」という新聞…
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マレー沖海戦一周年!

かばんの中に入れている文庫本、山田風太郎『戦中派虫けら日記 滅失への青春 昭和17年~昭和19年』(筑摩)の冒頭近くにあった一節にビクッとした。「マレー沖海戦」とは戦史上有名なのだろう。軍事ファン向け雑誌などで見かける言葉。その1年後の1942年12月10日、弱冠20歳の若者だった山田風太郎は、リアルタイムで次のように記していた。今から…
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政治とカネ:甘利編

写真家兼物書き・藤原新也のサイトを見てみると、意外にも甘利大臣辞任騒ぎについて書いていた。さらに内容は以下のように、自民党実力者か保守系政治評論家に近いような見方なので、反権力の一匹狼というイメージ(恐らく実際もそうだろう)にしては意外の観があった。 以下のように甘利氏の辞任は「政治資産の喪失」なのか、それともTPPにしても官僚…
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霊柩車の誕生と消滅

NHK「所さん!大変ですよ」を見て「へー」と思ったこと。 黒塗りの自動車の屋根の部分を御輿のような金色と伝統的な寺社建築のような装飾で彩った霊柩車(「宮型霊柩車」と呼ぶらしい)が、今やほとんど用いられなくなっているという。大手葬儀会社(だったか)にも、中古で売ろうにも買い手がいないから膨大に残っているという。ネットのオークションで…
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「仰げば尊し」と吉田松陰

読みかけた鶴見俊輔と関川夏央の対談本に出てきて、「へー」と思ったこと二つ。 昔は卒業式になると定番で歌った「仰げば尊し」の中の「今こそ 分かれめ いざさらば」を関川は「分かれ目」と思っていたと言うが、僕も含め戦後生まれなら皆そうだろう。「め」は、助動詞「む」が係り結びで已然形になっているのだと、文語文法を思い出す。 世界で初…
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池田勇人って

図書館から借りている本の1つが『沢木耕太郎ノンフィクションVII 1960』。 後半に収載された「テロルの決算」は既読だが、前半の「危機の宰相」については知らなかった。池田勇人は、60年安保反対運動が高揚し岸信介が退陣した後の1960年7月から東京オリンピックの翌月、1964年11月まで首相を務めた。日本の高度成長期を代表する政…
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「マッサン」と軍需

昨日の朝から午後にかけての総集編本体と、今日はスピンオフと、去年のNHK朝ドラ「マッサン」総集編の大半を見てしまった(本放送では、勤務時間帯の都合で後半はほとんど見なかった)。 この「マッサン」には主人公のモデルとなったマッサンこと竹鶴政孝の関係で、今のサントリーやニッカの社史に関わる内容が出てくる。その一端として「へー、なるほど…
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司馬遼太郎のデタラメを愛した日本人

読みかけの渡辺京二『幻影の明治』の中に司馬遼太郎批判の文がある(2010年4月号『情況』「坂の上の雲」特集収載)。 引いてみると、 <「明治初年の日本ほど小さな国はなかったであろう。産業といえば農業しかなく、人材といえば三百年の読書階級であった旧氏族しかいなかった」。不思議な文章、奇天烈な認識というほかはない。(中略)ポルト…
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外食する低所得層は…

外食する低所得層と、これに対応する外食産業は切り捨てられてしまった。 20数年前、米ニューヨークで4年過ごした経験を思い出した。 日本ではそのイメージはないが、アメリカないしニューヨークでは、マクドナルドは明らかに「低所得層向け」だった。 テレビCMに出ているレジの女の子は白人モデルだが、マンハッタンのマックでは全て…
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それぞれの野坂昭如像

というようなことを、産経新聞部長の記事を見て思った。 この部長は僕より11歳年下。 僕自身は野坂昭如氏の作品でまともに読んだのは、小説家デビュー作「エロ事師たち」が文庫になって読んだ高校生の時くらいかもしれない。(この「如」という字は、PCの辞書機能のおかげですんなり出てきたが、自分で書いたことはなかったかも)。 「…
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渡辺京二より藤原新也を先にやれ

「渡辺京二より藤原新也を優先すべきではないか、僕は」 前回の日記を書いた後、この思いが高まった。 渡辺氏の著作の世界をもっと知りたいと思うようになったきっかけは、人々の従来の江戸時代に対するイメージを新たにした『逝きし世の面影』だが、これは当然ながら、書物、中でも幕末から明治にかけて日本を訪れた欧米人が残した「文章」や「…
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渡辺京二の世界へ

いま僕が気になっているのが、渡辺京二(85歳)がある種のまなざしをもって描いた日本の過去の世界。 昨日、本屋の棚にあった『逝きし世の面影』『江戸という幻景』『幻影の明治』を買った。このうち『逝きし…』は図書館から借りて既読であり、渡辺氏に惹かれるようになったきっかけの一つ。 比較的最近読んだ『北一輝』はいいと思ったが、昔…
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山本七平の陸軍体験

最近、電車内などでちびちび読んだのが山本七平の陸軍体験をめぐる2つの本、『一下級士官の見た帝国陸軍』と『私の中の日本軍』上・下(共に文春文庫。原著は前者が1976年、後者が1975年の刊)の計3冊だが、詳しく引用したりコメントしたりする気にはならず。 その理由は、40年余り前に執筆され掲載されていたのが雑誌の連載で、連載時の戦時…
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ジブリと柳田國男

先日、横浜(神奈川近代文学館)でやっている「生誕140年 柳田國男展」に行った。そこでスタジオジブリの鈴木プロデューサーを見かけた(話しかけなかったが)。宮崎駿は見かけなかったが、すでに来たか、これからか。 宮崎駿が民俗学や人類学に多くのものを負っていることは間違いないだろう。「遠野物語」の幻想譚にも親近感を覚えたか。 …
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「喪失」としての高度成長

未読のものも含め図書館から借りている本の1冊が藤原新也『日本浄土』(東京書籍、2008)。読んだのはごく一部のみだが。 この本も含めて多くの著作に含まれるさまざまなテーマのうち、藤原新也という表現者が運命的に抱え、僕自身共感するのが、「喪失」としての高度経済成長ということである。これは同時代を生きた日本人なら程度の差はあれ味わっ…
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A級戦犯を合祀した男

毎日新聞「靖国」取材班『靖国戦後秘史 A級戦犯を合祀した男』(角川ソフィア文庫、2015;単行本は2007年刊)を読んだ。 表題に掲げたのはこの本の副題。そこに見られるように、「靖国」という問題へのアプローチとして、政治的・外交的・思想的な面からよりも、むしろ「A級戦犯の合祀」という核心的問題に迫る際に、これをほぼ「独断」で行っ…
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『日本のナショナリズム』の引用3(最後)

・斎藤(隆夫)のリアリズムでは、たとえば天皇制は大きな力をもって現実にあるものだから、日本の立憲政治の中ではそれを使っていくしかない、と考える。近代の国民国家は植民地を手に入れるという戦略をとって帝国主義戦争をおこなってきたのだから、われわれは侵略戦争をやっているんだ、聖戦という美名に隠れて国民の犠牲を見ないのは虚偽だと、はっきり言った…
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『日本のナショナリズム』の引用2

・日露戦争の後、「日本国民は天皇のために戦ったのだ」という考え方が広がることで、キリスト教徒に対する批判が強まっていた。(中略)そのような流れのなかで、加藤弘之は、その著書『吾国体と基督教』(1907年)の中で、こう指摘した――キリスト教徒はわが国体に反する。反国体論者であり、最終的に彼らの立場は天皇を神と認めず、政治的な天皇機関説であ…
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松本健一『日本のナショナリズム』1

先日、松本健一『日本のナショナリズム』(ちくま新書、2010)を読んだ。 松本氏の著作については、1970年代の北一輝ブームの中でデビュー作(『若き北一輝…』(1971))を買って持っていたが、読了しないままに終わった気がする。その後も長い間、良い読者ではなかったが、ここ1、2年で何冊か読んだ。 表題の新書は、民主党が政…
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現人神の創作者たち

山本七平の文庫版下巻も読了(といっても古文の引用はほとんど飛ばした)、自分なりに理解をしっかりさせようと傍線や印を付けた箇所に付箋を貼ったりしていたが、それをもとに要約するのは断念した。連載での論述スタイルをそのまま再整理していないのだろうが、繰り返しないしその変奏が多いことはその一因。 いっそのこと、松岡正剛『千夜千冊』当該夜…
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河合隼雄のポジショニング戦略

返却前の本の一部: 1 安保徹・石原結實・福田稔『非常識の医学書』(実業之日本社、2009) 2 エドワード・W・サイード『フロイトと非-ヨーロッパ人』(平凡社、2003) 3 『河合隼雄を読む』(講談社、1998) 1の3人の著者は、国家資格を持つれっきとした医師・医学者だが、現在の標準的な医学・医療の常識の一…
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蘭学の影響か?

先月、江戸東京博物館での「城」がテーマの展示を見たときに思ったこと。 大きな見世物的な展示物はなく(実寸大の天守閣を展示するわけには行かないだろう)、やや地味だった感あり。 城の改修の図面などが多かったが、そのかなりのものが現代の建築図面と変わりなかった印象。城の図面も蘭学の輸入知識によっていたのか? 素人なのでわからず。
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山本七平『現人神の創作者たち』

以下は橋川文三コミュに書いたものの再掲です。 ************* 先日、池袋JUNKU堂での「安彦良和書店」コーナー終了直後に初めて足を運びました。なんと半年も前から開かれていたのに初めて行ったのが終了直後とは。(それだけ安彦氏のことを知らなかったが、現時点では『虹色のトロツキー』全8巻、『王道の狗』全4巻を読了…
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ラグビー日本代表

に対する僕の関心は、今まで一度も日記に書かなかったが、日本人の平均値よりは高かった。 HCエディー・ジョーンズの経歴・人となりと、その日本代表チームへのトレーニングについてのNHKの番組を見たり、ワールドカップの目標を「ベスト8」と「大言壮語」していたので、ずっと注目していて、南アフリカとの緒戦が気になっていた。 そして…
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