テーマ:世界

歴史の「表層」と「深層」

自分なりに今後の余生で追究するテーマを絞ろうとすると、「歴史」ということになりそうだが、これがすこぶる多様で広大だ。元々、比較的近い分野だった近代日本の歴史や思想史だけでも相当な分厚さの先人の蓄積がある。 一昨日買った文庫本の1冊がフェルナン・ブローデル『歴史入門』(中公文庫)。ブローデルは、マルクス主義や唯物史観がかつての力を失…
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日本は移民を送り出す国だった3

ミクロネシアへの旅に出たとき、著者の橋口氏には「特にあてはなかったがどの島にも、必ず戦争と関係のある日本人が居るという確信めいたものはあった」。 1996年の取材時72歳だった秋永正子さんは1925年、3人姉妹の末っ子としてポナペで生まれた。お父さんが日本人で、お母さんはポナペの酋長の娘だった。20歳で終戦になり家族5人で日本に引…
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日本は移民を送り出す国だった2

1998年の取材・撮影当時71歳だった佐藤仁さんという男性は、ロシアのカンスクという、カザフスタンに近い中央シベリアの町に住んでいた。北海道に生まれ育ったが、12歳の時、一家で樺太に渡った。その頃の樺太には40万人余りの日本人や多くの朝鮮半島出身者が住んでいた。18歳で終戦。引き揚げ命令の対象は子どもと女性に限られた(成年男子は貴重な労…
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日本は移民を送り出す国だった

橋口譲二『ひとりの記憶 海の向こうの戦争と生き抜いた人たち』(文藝春秋、2016)の感想を記しておきたい。 この本は写真家である著者が1994年から2000年にかけて訪れた世界各地で生き抜いてきた日本人86人から10人を選び、取材インタビューや著者のコメントを文章にしたもの。各国に多くの日本人がいた中で、会う人を選ぶ基準は唯一、…
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つぶやき集:寺島実郎講演資料

2016年04月11日06:00 1カ月前の寺島実郎氏の講演会資料120ページに目を通した。後半は岩波「世界」への連載の一部転載。寺島氏を採用、育成、活用、提供する三井(物産)グループの懐の深さを感じる。(04月09日) コメント GandhiGanjee 1947年生まれの寺島氏は、1968-69年の頃は早稲田キャン…
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寺島実郎と世界認識

先日、寺島氏の講演を聞きに行った。TBSの『サンデーモーニング』やテレ朝の『報道ステーション』での限られた時間と制約での断片的なコメントを拝聴するが、今回は2時間以上ぶっ続けでのレクチャーを聞いた。講演後の懇親会では、何代か前の日銀総裁を見かけた。 渡された資料集のタイトルが「時代認識と提言」(2016年 春号)、120ページ余り…
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サンフランシスコ講和会議、日米安保条約

2月20日b3面下段の大半を占める記事が「サザエさんをさがして」で、1951年9月9日付朝刊の4こま漫画「サザエさん」と解説記事。米サンフランシスコの現地時間で9月8日、日本時間では9日、吉田茂首席全権が対日平和条約に調印し(発効は翌52年4月28日)、日本は独立を回復した。 講和条約には敗戦国日本を含む52カ国が参加。署名を拒否…
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米大統領報道官

昨2月20日付『朝日新聞』別冊b1とb3上段は、ジョシュ・アーネスト米大統領報道官補佐官(41)とのインタビュー記事だった(見出し:1面「真っ向から答える世界の質問」、3面「世界で起こるすべてを、できるだけ早く吸収する」)。 同補佐官は南部ミズーリ州カンザスシティ出身の端正な顔立ちの白人男性。母の妹(叔母)がダウン症で、自身はお婆…
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10年ぶり(?)の新聞購読

実に5年か10年ぶりに新聞を取り始めた。読まないで捨てるのはもったいないので、ある程度は読む。 書評で興味を惹かれた本などをメモ代わりに書き付けると―― 『微生物が地球を作った』 『生物界をつくった微生物』 『ライトハウス すくっと明治の灯台64基』 『医療の歴史 穿孔開頭術から肝細胞治療までの1万2千年史』 …
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マレー沖海戦一周年!

かばんの中に入れている文庫本、山田風太郎『戦中派虫けら日記 滅失への青春 昭和17年~昭和19年』(筑摩)の冒頭近くにあった一節にビクッとした。「マレー沖海戦」とは戦史上有名なのだろう。軍事ファン向け雑誌などで見かける言葉。その1年後の1942年12月10日、弱冠20歳の若者だった山田風太郎は、リアルタイムで次のように記していた。今から…
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兵馬俑vs死海文書

兵馬俑の発見は1974年、死海文書は1947年。どちらも発見当時、「20世紀最大の考古学的発見」と言われたという。 どちらが真に「20世紀最大の考古学的発見」なのか? こんな問いはまさに「愚問」なのかもしれない。 (死海文書について、あらためてウィキって見ると、 <文書の成立は内容および書体の分析と放射性炭素年代…
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河合隼雄のポジショニング戦略

返却前の本の一部: 1 安保徹・石原結實・福田稔『非常識の医学書』(実業之日本社、2009) 2 エドワード・W・サイード『フロイトと非-ヨーロッパ人』(平凡社、2003) 3 『河合隼雄を読む』(講談社、1998) 1の3人の著者は、国家資格を持つれっきとした医師・医学者だが、現在の標準的な医学・医療の常識の一…
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蘭学の影響か?

先月、江戸東京博物館での「城」がテーマの展示を見たときに思ったこと。 大きな見世物的な展示物はなく(実寸大の天守閣を展示するわけには行かないだろう)、やや地味だった感あり。 城の改修の図面などが多かったが、そのかなりのものが現代の建築図面と変わりなかった印象。城の図面も蘭学の輸入知識によっていたのか? 素人なのでわからず。
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明るい、薄められた狂気

今日29日が最終日となる前日、新国立博物館のマグリット展に行ってきた。 http://magritte2015.jp/highlight.html マグリットには特別な知識も関心もなかったが、一通り見た感想は「明るい、薄められた狂気」とでも言えようか。 1970年代、80年代、90年代と、日本の出版業界ではた…
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モサドって!

『モサド・ファイル』(早川書店、2014。元は同社の単行本として2013)。原著はイスラエルで2010年、和訳の元の英語版は2012年刊。原著者は、イスラエルの作家とジャーナリストの2人で、調査とインタビューに基づくノンフィクション。 イスラエルのモサドは、CIAやKGBとともに世界屈指とも言われる情報機関。読んだのは、冒頭から…
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知らないことだらけ

どんなに博識の人でも、一人の人間が知っていることなど高が知れているわけだから、自分が思うのは当然だが。 返却前の本の一冊: 樺山紘一『歴史の歴史』(千倉書房、2014): 西洋史学者の本を飛ばし読み。 奴隷についての章から引くと、 「スペイン王室による土地配分制度であるエンコミエンダ制のもとで、アメリカ先住民…
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負の世界遺産

大西洋をまたぐ黒人奴隷貿易の中心港でもあったリバプールや、かの絶滅収容所・アウシュビッツがすでに世界遺産であることを考えると、韓国の言い分はイチャモンとしても通らないように思える。 だが問題は、加害側の日本人が負の側面を知らない、意識しないことか。 世界文化遺産、韓国は登録反対 http://news.mixi.…
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フランスの物部氏&プルースト、カフカ、ジョイス

鈴木道彦訳でマルセル・プルーストの『失われた時を求めて』「ゲルマントの方 I」を読みかけたが、なかなかその世界に入っていけないので、とりあえず中断。 「ゲルマント…」に興味を抱いたのは、鈴木氏のエッセー本で、作中でゲルマント家はフランス社交界屈指の名家で、その歴史を6世紀にさかのぼり、ブルボン王家よりもはるかに古い由緒を誇る、日…
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「国家の独立」からの年月

シンガポールの初代首相リー・クアンユー(1923年生まれ)が23日に死去し、29日の国葬には世界中の要人が弔問に訪れる。 隣国マレーシアのマハティール元首相(1925年生まれ)は、リー元首相を2008年に死んだインドネシアのスハルト元大統領(1921年生まれ)とともにASEANは強力な指導者を失ったとし、「国家独立のために戦い、…
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岡本太郎は偉かった

ということに、今さら気づいた。電車の中で『美の呪力』(新潮文庫)を読み始めてから。 昔はテレビに出てくる、独特なキャラの変なおじさんであり、また、高度経済成長のピークを象徴する国家的イベント、1970年の大阪万博で「太陽の塔」制作などを任されるくらいだから、当時の日本を代表する芸術家ではあったのだろうが、その偉大さの実感は持てな…
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ディズニーランドが廃墟になるとき

…そんなことも連想した。 テレビで見たのだが、8年前(2006年)に閉園した「奈良ドリームランド」が巨大な廃墟になっているという。跡地には規制が多かったり、地権者も多かったりで、再開発が難しく、入札に1社も応札がないとか。 開園は1961年という。僕は、ふるさと徳島から親に連れられて、少なくとも1度か2度は行ったことがあ…
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あるハーバード大学生

数年前、朝日新聞の夕刊に取り上げられていたアメリカ人の若者のことが印象に残っている。 まだハーバードの学部の学生で無名の若者。名前も覚えていない。日本の近代文学に惹かれ、夏休みを利用して神田神保町の古書店でアルバイトをしていた。 彼によれば、「神保町は宝の山。毎日が楽しくてたまらない」。また、彼は、「二葉亭四迷が言文一致…
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エグザイルは、流刑なのか

返却前の本: 1 佐藤優+宮崎学『国家の崩壊』 2 ハイネ著、小沢俊夫訳『流刑の神々・精霊物語』(岩波文庫) 3 木田元『私の読書遍歴 猿飛佐助からハイデガーへ』(岩波現代文庫、2010) 1は、前の日記で「複雑怪奇な面がある」と書いたソ連邦崩壊の経緯の中のいくつか局面に付箋を貼っていたが、引用する余裕なし。 …
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ブラジルの黒人奴隷

上原善広『被差別の食卓』の第二章「奴隷たちの楽園――ブラジル」によれば、ブラジルの人口比率は、白人が約55%、混血ムラート38%、黒人6%、アジア系1%、そして先住民インディオ。 一方、アメリカには「ムラート」という概念がなく、混血も含めた黒人が12、3%である。これは、ある歴史上の期間にアフリカから奴隷船で移住させられた黒人が…
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フライドチキン、ソ連崩壊、嫉妬

図書館から借りている本とブックオフで買った本の中から: 1 上原善広『被差別の食卓』(新潮新書、2005) まだ最初を読みかじっただけだが、「なぜフライドチキンが代表的なアメリカ黒人の食べ物=ソウルフードなのか」知ることができた。実は著者が取材で訪れた、ニューヨークのハーレムに住み、黒人男性と結婚している日本人女性には、それ…
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オリーブの実

芯をくりぬき、塩漬けにしたオリーブの実の瓶詰め。 最寄り駅から自宅までいくつかのルートで食料品店に立ち寄っては探しているが、見つからない。 前回買ったのはどの店だったか? たしかスペイン産だった。その店は常備しているのでなく、たまたまその時だけ置いてあったのかもしれない。
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多様な世界、解釈としての歴史

返却前の本: 1 ケネス・フィーダー『幻想の古代史 上』 2 亀山郁夫『大審問官スターリン』 3 寺畔彦『戦艦ポチョムキンの生涯 1900-1925』 4 白洲信哉『かたじけなさに涙こぼるる』 5 やなせたかし『あきらめないで 足みじかおじさんの旅』 6 ちくま新書『ソ連史』は、手元に見当たらず、返せない…
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ニュースへの想像力

先日このニュースに、かわいそうに…と思いながらチェックを入れたら、マイミクのAさんが「号泣した」と書いていた。養子制度がもっと容易に活用できたら、こんなことにならなかったかも、とも。 僕は、世界でただ一人の頼りである実の父親から、こんなむごい仕打ちを受けた男の子がかわいそうでたまらなかったものの、Aさんはこの、飢餓と闇と絶望の中…
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サッカーにみるグローバル化と血まみれの豚

サッカーのワールドカップが開催中のせいか、中村敏雄『増補 オフサイドはなぜ反則か』(平凡社、2001)を取り出して再読した。 ずいぶん前に買って読んだ本だが、面白かったので売りも捨てもせず、取っておいた本だった。 表題自体は、スポーツのルールについて、誰しもが抱く、数多くの素朴な疑問の一つ。体育学を専門とする著者は、この疑…
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途上国としてのアメリカ

下記URLは、30年以上前に知り合い、泡盛を酌み交わした友人にして、今はフロリダ在住のマイミクAnragiさんの最近の日記。 大恐慌さなかの1932年、ニューヨーク・ミッドタウンで建設中のロックフェラーセンターの高層ビルで働く、アイルランド移民の建築労働者たちの昼休みの写真。(Anragiさんは、この写真に写った男たちの子孫を取…
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