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バード(ら)が見た日本

『日本奥地紀行』(高梨健吉訳、平凡社)の著者イザベラ・バード(1831-1904)が西洋の女性として世界で初めて、外国人がほとんど訪れたことのない日本の東北地方や蝦夷地(北海道)を従者の日本人青年と二人で旅したのは1878(明治11)年のこと。彼女が満47歳になる少し前だった。 まだこの本(元は母国に住む妹宛ての手紙で、巧みなイラ…
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ブラディ・ダーウィン、太陽族vs憂鬱族

返却前の本より。期限をとうに過ぎ、ろくに読んでないまま返却する前にぱらっとめくると――。 『ブラディ・ダーウィン もうひとつのパール・ハーバー』はオーストラリア人による本の翻訳。ここでのダーウィンは同国北部の港湾都市で、表題は邦題が示すように、日本軍が1942年2月19日、この都市を空襲したことを指す。 日本から見た同国は、…
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2つの移民会社

少し前に読んだ本に出てきた日本近代の2つの移民会社が頭の中で一つになっていた。 榎本武揚が創業し、曲折を経て現在もあるのが「南洋貿易株式会社」。 大正時代に設立された国策殖民会社が「海外興行株式会社」。
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『三島由紀夫全文献目録』

先日買った安藤武『三島由紀夫全文献目録』(夏目書房、2000)。450ページ余りのうち、先に目を通した2つ目の章「三島関係単行本」120ページほどに次いで、最初の「新聞・雑誌・他」260ページほどをめくり、目を通した。他に「書簡」「古書」と章立てられ、最後に年譜と後書きがある。著者は三島研究家の間では有名なのだろうが、ウィキっても載って…
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三島由紀夫から遠く離れて

金曜の夜、佐藤秀明『日本の作家100人 三島由紀夫 人と文学』(勉誠出版、2006)を買った。以前に同じ三島由紀夫論コーナーで見かけた同じ著者による分厚い三島研究書を買うつもりだったが、それが見当たらず、この一般向け作家評伝シリーズの1冊を買った。 著者には30数年前、1970年代末頃に何度か会ったことがあり、名前を覚えていた。…
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10年ぶり(?)の新聞購読

実に5年か10年ぶりに新聞を取り始めた。読まないで捨てるのはもったいないので、ある程度は読む。 書評で興味を惹かれた本などをメモ代わりに書き付けると―― 『微生物が地球を作った』 『生物界をつくった微生物』 『ライトハウス すくっと明治の灯台64基』 『医療の歴史 穿孔開頭術から肝細胞治療までの1万2千年史』 …
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インテリジェンスの常識

返却前の本の1冊: 佐藤優『国家の謀略』(小学館、2007) 印象に残った箇所を引用、要約すると―― ・(特に軍事的に)最強国であるアメリカには他国・他民族の内在的ロジックを捉えるインテリジェンス文化が育ちにくい(外交や諜報が失敗しても、最後は軍事力で勝てるから)。 ・池田徳眞(1904-93)は日本の近代インテ…
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「仰げば尊し」と吉田松陰

読みかけた鶴見俊輔と関川夏央の対談本に出てきて、「へー」と思ったこと二つ。 昔は卒業式になると定番で歌った「仰げば尊し」の中の「今こそ 分かれめ いざさらば」を関川は「分かれ目」と思っていたと言うが、僕も含め戦後生まれなら皆そうだろう。「め」は、助動詞「む」が係り結びで已然形になっているのだと、文語文法を思い出す。 世界で初…
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一冊もないと思っていた網野善彦

の本が二冊見つかった。ともに講談社学術文庫(『中世再考』『中世の非人と遊女』)。 10年、20年前に買ったのは処分していたから、ここ1、2年位のうちに買ったものと思われる。 あらためて拾い読みしたが、渡辺京二が著書で批判していたため気になっていた記述(網野氏の歴史観・世界観が左翼的・近代(主義)的イデオロギーに偏向してい…
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「文明」は子供と若者が創った?!

読みかけた薄い文庫本の冒頭近くに、ハッとする箇所があった。 <比較的近年にいたるまで人間の寿命は短かった。(中略)世界最古の墓のひとつを掘り返してみると、平均死亡年齢が二十五歳であることを骨が示しており(中略)。そういうわけで、新石器時代の重要な発明発見――動物の馴致、車や帆やすきの発明、灌漑や発酵作用や冶金術の発見――は、ほと…
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渡辺京二の網野善彦批判

読みかけの渡辺京二『アーリイモダンの夢』(弦書房、2008)に日本史学者・網野善彦への批判がある(2002年発表「徳川期理解の前提」中の一節)。引いてみると、 <戦後の左翼史学は散々馬鹿の限りを尽して来たのだから、彼らの最近の言説になし崩し的な方向修正の気分が出て来ているのは当然の成りゆきといっていい。しかし、現代フランス思想や…
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『日米戦争と戦後日本』

最近読んだ本の備忘メモ: 著者の五百旗頭 真(いおきべ・まこと)氏は政治外交史が専門の学者で、神戸大学教授などを経て防衛大学校長を務めたが、この本(講談社学術文庫、2005年。元は大坂書籍から1989年)には特に右派というようなものは感じなかった。 アメリカ政府は日本との開戦から半年!で早くも、日本の「戦後処理」に着手した(…
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山本七平『現人神の創作者たち』

以下は橋川文三コミュに書いたものの再掲です。 ************* 先日、池袋JUNKU堂での「安彦良和書店」コーナー終了直後に初めて足を運びました。なんと半年も前から開かれていたのに初めて行ったのが終了直後とは。(それだけ安彦氏のことを知らなかったが、現時点では『虹色のトロツキー』全8巻、『王道の狗』全4巻を読了…
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『虹色のトロツキー』

この妖しくも怪しいタイトルのコミックは以前から気になっていたが、読んではいなかった。mixiにコミュがあるものの、立ち上げからずっと休眠状態のもよう。 最近になってついに読もうと思い立ったが、最寄り駅近くの漫画喫茶に置いてないので、中公文庫コミック版全8巻を購入して読了した。 (著者の「安彦良和」氏については承知しておら…
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北斎漫画

今はまっているのが画集の類。その1つで最も最近買った『北斎漫画1~3』(青幻社、2010~11)は、江戸時代のベストセラー、ロングセラーを画題別に再編集した文庫サイズの3巻本。 これを見ると、葛飾北斎は満90歳近くで倒れるまで探求と創作に打ち込んだ点でミケランジェロに匹敵する一方、その知識と探究心が森羅万象に及んだ点で「東洋のダ…
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昭和天皇の戦争責任

先日買った本のうち、川村湊『戦争の谺(こだま) 軍国・皇国・神国のゆくえ』(白水社、2015年8月)を読了した。 300ページ余りのこの本のうち、冒頭2章では広島の原爆ドームが史的遺跡として保存されるようになった一方で、長崎の浦上天主堂がそうならなかった経緯や、ベストセラーや映画になった「ああ、長崎の鐘が鳴る」の原作者・永井隆医…
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ペリーと沖縄

岩波文庫の『ペリー提督日本遠征記』を電車の中などでちびちび読んでいるが、まだ上巻でかの黒船騒動=徳川幕府との交渉まで来ていない。 ペリーは途中、セントヘレナ島に寄港し、世紀の英雄ナポレオンが晩年、島流しになり幽閉された家を見て感慨を覚えたりしている。 最近読んだ箇所では、中国人クーリーを怠惰で性格が悪いと非難しているのに…
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丸山真男vs吉本隆明

このところ自分なりに気になっていたテーマ。 政治学者の山口二郎が、 「終戦直後に丸山真男が一連の論文を書いたから、日本の戦後は始まったのだ。単に時間が経っただけでは、日本に戦後は訪れなかった」 とまで、これ以上はないほど賞賛した丸山真男。 これに対し、かつて吉本は「丸山真男論」の冒頭で、戦後民主主義の代表…
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クンデラからペリーに移行

した、と言っても、かばんの中に入れていた文庫本が入れ代わっただけ。 それも、ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』(集英社文庫)はまだ初めのあたりしか読んでいなかった。 そもそも、読もうという動機が偏っていた。「プラハの春20周年」だから1988年のある日、ニューヨーク在住中にイベントに出掛けたのだった。内容はほぼ覚…
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毛細血管って

図書館から借りている菊池祐二『血液をさらさらにする生活術』(講談社、2001)によると、 ・いいばん抹消に近い細小動脈では50マイクロm以下で、さらに毛細血管は直径が6マイクロm前後で、髪の毛の20分の1という細さ! ・総延長10万kmといわれる大部分は毛細血管が占める。 ・著者の試算によると、標準的な体形の人で…
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資本論と神学

以下は3週間近く前の日記以降に読んだ主な本。 1 村上重良『国家神道』 2 安丸良夫『神々の明治維新』 3 田中伸尚『靖国の戦後史』(以上、岩波新書) 4 佐藤優『いま生きる「資本論」』(新潮社) 5 コリン・ジョイス『「ニッポン社会」入門』(NHK出版) 6 朝井リョウ『何者』 7 乾くるみ…
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モサドって!

『モサド・ファイル』(早川書店、2014。元は同社の単行本として2013)。原著はイスラエルで2010年、和訳の元の英語版は2012年刊。原著者は、イスラエルの作家とジャーナリストの2人で、調査とインタビューに基づくノンフィクション。 イスラエルのモサドは、CIAやKGBとともに世界屈指とも言われる情報機関。読んだのは、冒頭から…
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知らないことだらけ

どんなに博識の人でも、一人の人間が知っていることなど高が知れているわけだから、自分が思うのは当然だが。 返却前の本の一冊: 樺山紘一『歴史の歴史』(千倉書房、2014): 西洋史学者の本を飛ばし読み。 奴隷についての章から引くと、 「スペイン王室による土地配分制度であるエンコミエンダ制のもとで、アメリカ先住民…
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難民、移民、奴隷

現代日本人には「難民」も「移民」も「奴隷」もぴんと来ないが、歴史上、そして現在も世界を見ると無視することができない。 ミャンマーのロヒンギャやバングラデシュを出国した難民たちがタイ、マレーシア、インドネシアに漂着したり、ジャングルの一時滞在キャンプや集団墓地が見つかったりしてから数週間が経ち、今も海上を漂流している。 ミ…
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丸山真男の「転回点」

安丸良夫『現代日本思想論 歴史意識とイデオロギー』(岩波現代文庫、2012。元は2004年に岩波から)全6章のうち、興味を惹かれた3つの章を読んでみた。 そのうち、丸山をそれほど読んでいない僕が思っただけでなく、丸山の著作と思想に詳しい人でも「へー」と思うかもしれない箇所を以下に引いてみる。 ≪もっとも丸山自身も、「超国…
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アレントとトウェイン『王子と乞食』

最近読み終えた本: 1 ハンナ・アレント『人間の条件』(ちくま学芸文庫、1994。元は1973年に中央公論。英語の原著は1958年刊) 2 マーク・トウェイン『王子と乞食』(原著は1882年刊) アレントの『人間の条件』は主に電車の中でしか読まなかったので、通読するのに時間がかかった。文庫の帯には「アレント政治思想の…
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『農協との「30年戦争」』

という新書を読了(岡本重明著、文春新書、2010)。 著者は1961年生まれ、愛知県内の普通科高校卒業後、父の急逝で祖父を継いで就農、1993年に農業生産法人・有限会社新鮮組を創業。2001年には農協から脱会し、企業としての農業に取り組んでいる。 この本の内容を一言で言えば、巨大組織・農協の「悪しき官僚制」ぶりであり、著…
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グリム兄弟、女子校育ち

表題の両者に関係はなく、ともに最近読んだ本の表題。 すでに図書館に返却した『グリム兄弟』は、Jack Zipesジャック・ザイプスという、執筆当時、フロリダのゲインズビルにある大学の教授をしていた学者の本の日本語訳。兄弟の生誕200年前後のブームの頃の本。グリム童話は、今日、聖書に次いで多く世界中で読まれている本だという。(一時…
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吉本と対談か!

昨夜、本屋の棚で、ある本の背表紙を見て、目を奪われた。二つの名前がスラッシュを挟んで続いていたのだ。 吉本隆明と同級生が対談し、本になっていたのだ。 僕自身、二十歳前後に傾倒した、「戦後最大の思想家」という人もいる、あの吉本と対談していたのは、中学・高校時代の同級・同期生、高岡健(たかおかけん)。精神科医で岐阜大学医学部…
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原爆体験=丸山真男の思想的限界

平野敬和『丸山眞男と橋川文三 「戦後思想」への問い』(教育評論社、2014)を読んだ。 書名には二人の名が併記されているが、この本のページ数の大部分は丸山論が占めている。 その中で、僕にとって最も刺激的だったのが、丸山自身の広島での被爆体験と、それについて彼が生涯にわたって「思想化できなかった」ことに触れた個所である。 …
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