黒人でイスラム教徒のニューヨーカー

しかも警察官。しかもキャピタリスト。

マイミクの方のつぶやきに反応しているうちに思い出した。
20年余り前、4年間過ごしたニューヨーク在住の頃、最も親しかった友人のことを。

(その彼と、もう一人は日本語の生徒さんだったジムさんという白人男性。二人ともかなり前から音信不通になっていて、PCはあまりやらないほうだったが、ネット検索してもヒットしない)

黒人のほうの友人からは、よく電話が掛かってきて、一時期は毎週のように、週末か仕事の後で会っていた。時間に余裕があり、面白そうな映画をやっていれば、一緒に映画を見て、その後、レストランで食事をしながら話をして別れる。――というのが典型的だった。

レストラン選びにあたっては、NYタイムズなどの新聞か、New Yorker、New Yorkなどの雑誌で見た店など、互いの興味や好み、勧めに応じてそのつど決めていた。その数が多いのでイタリアンが多かった気がするが、日本レストラン、チャイニーズやインディアン、さらにタイ、ベトナム、スペイン、メキシカンやアラブ・マグレブ料理など、さまざまだった。(こう書いてくると、まるで恋人同士みたいかもしれないが、彼はイスラム教の戒律を厳格に守っていて、同性愛の雰囲気は一切なし)

話題は多岐にわたった。彼は世界情勢をはじめニュースに通じていたし、いわば「非白人国家」としての日本に興味があり、日本のこともよく知っていた。ある時、「日本(神道)では天皇は、カトリックにおけるローマ法王みたいな存在だね」と言われ、ふだん考えてもいなかった僕は、言葉に詰まったことがあった(日本に関する入門書で読んだのだろう)。

さて、彼を思い出したきっかけに戻る。
その彼、アリ・ウェルマンは、民主党支持者が圧倒的に多い黒人であるにもかかわらず、共和党のレーガン=ブッシュを支持していた。そして、ある時、I'm a capitalist.(私は資本主義者だ)と言ったことを思い出したのである。――日本語では「資本主義者」という言葉はあっても、ほとんど使わないのと対照的である。

しかも彼は、ニューヨーク州の公務員である。実は彼は警察官なのだが、仕事の話は公務員と言うだけで一切しなかった。奥さんについても「何人いるか?」聞いても、ノーコメント(アメリカでは重婚は禁じられているから、もちろん一人だろうが)。

(ところで、仕事と私生活にまったく触れないのは、僕自身のインターネットに対するスタンスと酷似している)

アメリカでは、日本と違って、警察官は完全3交代勤務制である。しかも、アルバイトも自由である。だから彼は、親しい同僚をパートナーとして、副業で引越屋をやっていた。将来の夢は、会社を大きくすることだと言っていた。

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