「昭和」の写真

半ば写真集的なものと思っていた『ひとりの記憶』がそうでなかったので、同時に2冊の写真集を買った。

『写真家が捉えた 昭和の子ども』(2014)と『米軍が見た東京1945秋』(2015)。

前者は昭和11(1936)年から昭和51(1976)年までの、19人の写真家が日本の子供たちを撮ったモノクロ写真170点。写真を見ながら、まさに「自分はこの中にいたのだ」と感じるし、今の日本はまさに「ここから生まれてきたのだ」と感じる。子供たちの笑顔がまぶしい。

後者はタイトルどおり、終戦直後、戦勝国アメリカの占領軍が非占領国=敗戦国日本の各地を撮ったもので、航空機や高台から撮ったと思われる俯瞰的な写真も多い。こちらも全てモノクロ。対照的に、こちらは公的な記録という感が強い。日本の歴史の中で(かなりの部分が空襲で廃墟、焼け野原となった)ある瞬間を切り取った写真群。

僕が東京に出てきたのは1972年だが、ある同世代の東京出身の人が「東京も田舎だった」というようなことを述懐したのを覚えている。戦中派世代の清岡卓行や橋川文三が初めて上京した時「がっかりした」のは、「東洋のパリ」と謳われた大陸の大連のような、より人為的に構築された近代都市としての造形的・構築的な美観に欠けていたことが大きいだろう。

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