『ひとりの記憶』

朝日の書評を読んで興味を抱き、昨夜買ったのが橋口譲二『ひとりの記憶 海の向こうの戦争と、生き抜いた人たち』(文藝春秋、2016年1月)。

著者が写真家であることから、この本も半ば写真集的な構成を期待していたが、違った。戦争を機に海外に住むようになり、そのまま日本に帰らず、周りに他の日本人がいないような僻地で生きてきた日本人の老人たちとのインタビューを再構成した文集だった。300ページ余りの本に収められたのは、インタビューした80余人のうち10人。

巻末近くに20人の老人たちの肖像写真と、各人のプロフィール2行のキャプションがある。

このうち、1998年の撮影当時84歳の高知県生まれの男性は「無国籍で日本語もロシア語も殆ど話せない」

撮影した95年当時、韓国に住み、写真から70代から80歳くらいに見える女性は「無国籍で韓国語も日本語も話せない(村の人は日本人だという)」

98年にカナダ・ブリティッシュコロンビア州で撮影された写真に写っている70代から80歳くらいに見える女性は「氏名・生年・出生地不詳」

――この3人、そして恐らく他にも少なからずいただろう「日本人だった」人たちは、どんな内面生活を送っていたのか?

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