涙の理由(わけ):私だけはいつでも味方

あなたは私の奇跡
あなたは私の希望

この2行は、去年4月から半年間のNHK朝ドラ『おひさま』の主題歌の歌詞で、繰り返されるフレーズである。

目覚ましも掛けてないのに3時間くらいで目が覚め、付けていたテレビで、対談番組のホスト役の阿川佐和子が、泣き出したのである。

相手は歌手の平原綾香。話の中で、阿川は、平原が歌った朝ドラの主題歌「おひさま~大切なあなたへ」の話を切り出した。実は最初はメロディだけだった曲に、なんと番組が始まってから、(たぶん視聴者のリクエストで)作者の岡田恵和が歌詞を付けたのだという。そんなエピソードを聞きながら、阿川は、むしろ自分の中でこみ上げてくるものに対して、こらえ切れなくなり、カメラの前で泣き出したのである。

その後、そのスタジオで平原が歌っているとき、また阿川は泣いていた。それを見て、思わずもらい泣きしそうになった。

他の番組で見る限り、いつも冷静で、けっこう鋭いツッコミを入れるタイプの彼女の内にこみ上げてきたのが何のか、わからない。

きわめて具体的な体験の記憶か、それともある程度は抽象化された観念、「人生」のさまざまな経験から抽出された「想い」のようなものか。あるいは、両者がない交ぜになった追憶と、それに刺激された感情――というのが、近いかもしれない。

歌を聴き、歌詞を読む限り、一人の女性が誰か(通常は恋人か、夫になる男性)と出会い、そのことだけでも、自分にとっては奇跡のようであり、「あなた」のことを想うだけでも幸せな気分でいられる、という女性の歌。

たとえ世界中が
あなたの敵だって
私だけは いつでも味方だわ
大丈夫
信じて

――僕自身は、この歌詞のような、映画に出てくるような言葉を言われた記憶は、一度もないが、もしそんなことを一瞬でも思ってくれる人がいたとしたら、亡き母ではないか。

…そう思うと、涙が出てきた。

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