地名に見る「歴史的時間の深さ」

関西に行くと、自分が今住んでいる関東の地名(特に東京や埼玉で毎日乗っている電車や地下鉄の駅名)と比べて、「歴史的時間の累積」を感じさせる地名が多い。

25日に行った京都府の城陽(じょうよう)はお茶で有名な「宇治」の隣。JR奈良線で宇治の一つ京都寄りは、禅の黄檗宗の「黄檗(おうばく)」である。京都駅の手前はお寺の「東福寺」だし、これらの間に「桃山」や「六地蔵」がある。近鉄奈良線だと「桃山御陵前」「墨染」「深草」「伏見稲荷」が京都との間にある。

南海電車の「難波(なんば)」から岸和田の間には、「天下茶屋(てんがちゃや)」「堺」「湊(みなと)」、そして古文に出てきた「羽衣(はごろも)」。岸和田から1駅和歌山方面には「蛸地蔵」なんてのもある。

一方、東岸和田からJR阪和線で大阪の都心に上ると、「鳳(おおとり)」。――たしか与謝野晶子は鉄幹と結婚する前、「鳳晶子(ほう・しょうこ)」と言ったと思うが、この地名と関係があるのだろうか。そして「百舌鳥」を経て、「天王寺(てんのうじ)」という、奈良時代かそれ以前に起源がありそうな由緒ある地名の駅に着く。地下鉄御堂筋線で新大阪まで行く途中には、「大国町(だいこくちょう)」や「なんば」を経て、「心斎橋」や「淀屋橋」がある。

――しかるに関東では! どちらかというと、味も素っ気もない即物的な地名が多い。例外を探せば「雑司ヶ谷」「護国寺」「神楽坂」「半蔵門」「人形町」「門前仲町」「水天宮前」「八丁堀」「泉岳寺」…。一口に、「江戸の風情」と言えそうである。関西のように、安土桃山時代以前や千数百年も歴史をさかのぼるような地名は皆無に近い。しかし、江戸幕府開闢からまだ400年。それを望むのは無いものねだりである。

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